前エントリの意気込みはなんだったのかと言いたくなる開催日前日の更新に我が事ながら戦慄しつつ、幻想音楽祭参加サークル紹介シリーズ第二段はKalmeRi名義でM3-2018春リリースされた「急転直下アメアラレ」の感想です。サークルとしてはレマノルドさんが主催されている「絵に描いた城」ですね。こちらの名義で、幻想音楽祭では「C24」スペースに位置されています。現時点(3/1 21:30)で幻想音楽祭に向けた宣伝的な情報が一切出ていないので、「急転直下アメアラレ」が頒布されるのかぶっちゃけわかりません。
これ、実は自分は春のM3では察知することができず、秋に向けた情報収集の中で同人音楽初心者の雑記様の感想記事で出会うことが出来たものです。本当にありがたさしかない。こちらで取り上げられてるとなると最早自分の感想なんて何の広報にもならなさそうな感もありますが、それでも筆を執りたくなる作品ということでひとつ。
■KalmeRi 「急転直下アメアラレ」
1.白昼のDrama2.突然の荒れ模様3.Miranda4.天使の逆撫で5.アンブレラ
まず、全曲通して言えるのがメロディのよさ。特に後半3曲目から顕著に感じられるフックのある個性と、それだけにとどまらず、素直にいいなと思えるキャッチーさを備えていると思います。更に言うと、メロディに乗せる歌詞のワーディングが個人的に刺さるのと、狩太郎さんの中性的なボーカルもとても魅力的。
1曲目、『白昼のDrama』。冒頭はゆったりとしたピアノバラード。他の曲に比べて音数が少ない分、メロディの美しさが際立ちます。ただ歌詞も意識して聞くと、単にお綺麗なだけの曲ってわけではないんですよね。本当に収録されてる5曲に物語的繋がりがあるかまでは考察しきれて(1,2曲目は関連ありそう…)ないですが、自らの狂気や正義を問いかける「僕」にこの先の物語の始まりを提示するような詞と、ラスト、パァッと視界が開けていくかのようなアウトロで2曲目へ繋がります。
2曲目、『突然の荒れ模様』。1曲目ラストの空気感をそのまま引き継ぎつつも壮大なアレンジで、ついに物語が始まったな…という感覚が得られます。(というか最初流して聞いてるときは前曲とあわせて1曲だと勘違いしていました。何でかって言うと、1曲目の主旋律の裏で繰り返されるメロディが2曲目でも続いて使われているんですよね。)この曲で特に好きなのが、美しいメロディのまま駆け上がった最初のサビが終わった後のややカオティックなピアノ部。ここまで徹底的に美しかったものがここで急に崩れることで、曲タイトル通りの波乱や展開が想起されるのたまらんよね・・・。
3曲目、『Miranda』。この曲で一気に雰囲気変わります。開幕から全編通して音数の多い、カオスで激しいメタリカルな音色。主張の強いベースに耳を傾けると楽しい気持ちに。二番Aメロ半ばの間奏部でギターのリードから一転、『水素吸って吐いて ベランダを見たんだ』あたりでピアノリードに切り替わって、その先ベース・ドラムの音が段々と重なっていくとこが好き。後、自分が普段どういう文化で生きているかを痛感するだけなんだけど『電子世界じゃ 無限に草が生えて』って詞はめっちゃ耳に残るよね…。
4曲目、『天使の逆撫で』。自分にとってはこの曲が白眉。3曲目からまたグっとシフトチェンジして、チェンバロとピアノがリードするクラシカル且つリズミカルな曲調。ゆったりとした三拍子に乗せられた歌メロが最高で冒頭で総括した独特で魅力的って感想の代名詞になるような一曲かと。詞の言葉のチョイスがとても良い(耳障りが良く)て、これがメロディを更に引き立てていると思う。ボーカルの怪しげな雰囲気も好き。
5曲目、『アンブレラ』。ボーカルが急にあっけらかんとしたものに変わってビビる。4曲目に続いて三拍子なのですが、ギターがしっかり入るのもあって雰囲気全然違いますね。とにかく強烈に耳に残るキャッチーなサビメロが印象的。あと、うまく分析できてないんだけど、この曲を聴いていると何故か「ぱっちりひつじ」さんを思い出す箇所がある。なんでだろう。曲調に反してまったく明るくない歌詞とか、ちょいちょいバックでアンニュイなメロディが入るところとかだろうか。
#ちなみに冬コミ行けなかったので新譜の2ndアルバムの紹介ができませんが「ぱっちりひつじ」も抜群におすすめです。幻想音楽祭にも「B27」スペースで出展されるらしいんで、是非是非。って、調べてみたら新譜から一曲フルでPVが投下されてますね…。こう改めて聞くと似てない、というか似た雰囲気の曲が他にあったに違いない多分。
■ぱっちりひつじ「ご・アマーモス」