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Casketさんのブースで頒布されていました、M3-2013秋新譜「Musicatlas P. I」になります。

奥歯に挟まったような物言いになっておりますのは、Casketさんのソロプロジェクトじゃないからで、厳密に言えばMusicatlas編纂委員会になるんですかね。

さて、本作
''非"「民族風」宣言 トラッド直球勝負!
という実に力強いキャッチコピーで取りまとめられたシロモノ。

まさしく、安易な民族“風”音楽が蔓延る昨今のご時勢に物申さんとばかりの一枚です。もともとCasketさんはアイリッシュトラッドを一番素のものからアレンジ効かせたものまで、さまざまな形で提供し続けてきたサークルさんですが、今回は世界中からそれぞれの伝統音楽を持ってこようと、コンピレーション的に発足させたプロジェクトみたいですね。でも所謂今ではマイナーな(失礼)伝統音楽を再現できるようなコンポーザーがそんなにいるのだろうかw とか、別に伝統音楽ならなんでも好きなわけじゃないから、当たり外れがありそうだなぁとか、色々考えながら購入を決めました。あ、ちなみに私は民族風も大好物です。

さて、そんなこんなで今回集まったのは7つの地方。
曲名 地方  サークル名
1.たこ焼き(TAKOYAKI) Japan  ゆるふわ軒
2.Belle qui tiens ma vie France  ライネムジーク
3.Llegada Bolivia  ジャージと愉快な仲間たち
4.Así que sueño, me gustaría volar en el cielo Spain  Cajiva's Gadget Shop
5.tants Balkan  Re.baro'
6.Tokyo set Ireland  Casket
7.祈雨 Indonesia  LapiLapi
結論から言うと心配事はすべてが杞憂に終わりまして、これまでのCasket作品同様、延々とリピートでかけ続けておいて気持ちのよい一枚でした。本作のようなインストメインの伝統音楽CDについては、私はほとんど環境音楽的な聴き方をしておりまして、いかに日常のバックミュージックとして流し続けられるか、というのは大きなポイントだったりします。特に、家事ですね。掃除洗濯アイロンetc.の傍らで流すには主張の強い音楽よりはインストが望ましいと感じます。

さて、中身に少し触れますと、確かに''非"「民族風」です。遊びがない、というと否定的な雰囲気になってしまいますが、なんといいましょうか、直に知っている地方であれば、 そこで流れていて違和感のない仕上がりになっている、と感じました。また、知らなかった土地の、どこかで聞いたことのあるような旋律も、あらためて併記された地方のものだと思って聞くとなんとなく感慨深いです。その土地に行ってみたくなりますね。知っている土地の音楽の再現具合からして、知らない土地の音楽も再現されているのでしょうから、こういった切り口から興味をもつのはアリなのかもしれません。

民族風の氾濫に嫌気が差しているとか、でも本場の音楽って取っ付きにくいとかいう人はお試しにいいかも知れません。このプロジェクトはこの後も続くようですので、数出てないうちのほうが入りやすいかもですね。