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電子音響音楽応用解析研究所(以下、「電音研」)さんの最新作にして最終作です。

感想一発目にしては濃いところを持ってきてしまった気がします。それでも取り上げたのは、上述の通りこれが電音研さんの最終作だからなのです。このサークルさんはメタルをベースに色々と遊びのある音源を発表してらっしゃるのが特徴で、いかにも同人音楽だなぁと私が勝手に思っていたサークルさんなんですよね。大好きです。これまでにも、クレヨンしんちゃんや、ポケットモンスター、アンパンマンとそうそうたる顔ぶれとメタルの融合を果たし、私を楽しませてくださっておりました。

さて、最終作である今作「DraemonForce」は満を持して、その名の通りドラえもんが題材となっております。メタル成分の方は、DragonForceというメタルバンドのようですね。ロゴはモロですし、ジャケットはUltra Beatdownというアルバムのジャケットのパロディのご様子。まぁぶっちゃけて言うと私はメタル界はまったく詳しくないので、ちゃっちゃと中身に入りますw 本当はこういうパロディものはDragonForce側も知っててにやりとできる方が楽しいのでしょうが、致し方なし!

序曲はインスト楽曲ですが、いきなりやたらと壮大で思わず笑み。それでいて、その後4曲で取り上げているドラえもんの楽曲のメロディラインがきちんとちりばめられていて、その後を楽しみにさせてくれる、まさに序曲としては素晴らしいできではないでしょうか。

2曲目はドラえもんの歌のパロディ。DragonForceらしい高速メタルに合わせるとこんなに格好良くなるものなんですね。ただのネタだけに終わらず、ひとつの曲として楽しめるように仕上げてくれるのは流石電音研というところでしょうか。ガッツリとノれる間奏でもドラえもんの歌の旋律を混ぜてきてくれるのでとても楽しいです。

3曲目はジャイアンの歌。このCDの中ではこの曲が白眉でしたね。いきなりもの凄い勇壮なスタートを切ったのでどんな男と男の歌になるんだ・・・!?と思わせて、歌が入るとまさかの女声(しかもオペラ声)で唖然としました。Intercityさんという女声の方のようなんですが、かなり存在感のある音楽に負けずに深く朗々と上げられていて感服しました。この方ご自身も音楽活動をされているようなので、機会があれば是非聞いてみたいですね。

4曲目はぼくドラえもんがネタ元。これは一転して汗臭い男ボイスで重々しい感じでよかったです。短調のアレンジになってるのもあってもと曲のあっけらかんとした雰囲気はまったくありませんw 正直これだけ聞いてるとドラえもんを勘違いしてしまいますね…。まるでアルマゲドン。何千何万の武装した量産型ドラえもんが行進している姿が見えるようだと、聞かせた友人も言っておりました。

5曲目はなんと
少年期。武田鉄也さんの超名曲ですね。名曲過ぎて他のどのドラえもんの曲よりもメタルがそうぞうできませんでしたが、なんと…。なんとメタルまったく関係なかったですねええええええええ! 叙情感たっぷりのバックのサウンドに、しっとりとした女声と男声のツインボーカル。素晴らしいデュエットで衝天しそうでした。

総じて言うと、このCDは5曲(内1曲インスト)に関わらずもの凄く満足感の高い仕上がりになっていると思いました。聞いたことのある電音研さんの中でもトップクラスの名盤だと思います。最終作にして最高の一枚です。更に言うと、M3-2013秋に50枚ぐらい買った中でも一番キャッチーでクオリティが高く、ここのところ一番聞いていたというのもあるんですよね。それぐらい素晴らしいです。